話しかけたかった

 色恋、というかかなりエンタメでかつ教訓を得た出来事だったので、書き残しておきたい。

 3月上旬ころ、仕事での外出先で他社の男性でかなり見た目がタイプな方を見つけてしまい(仕事をしろ)、仕事中にもかかわらず(仕事をしろ)、100度見くらいしてしまった(仕事をしろ)。自他共に認めるほどのシャイなわたしは、ナンパはおろか一声話しかける、みたいなこともできず(名刺交換するタイミングやきっかけすらなかった)、会社名という激弱すぎる一つのみの情報を持ち帰り、ずっと悶々としていた。

 当然、会社名だけでは周りの人に尋ねても個人を特定することができず、数週間が経過し、もうダメかもしれないと思っていたところ、あること(就活生向けのその会社の説明会に就活生の友人をスパイとして送り込んだ)がきっかけでその方のフルネームを知ることができた。そこからの展開は早かった。というか、自分の情報特定の速さには驚いたしドン引きした。まぁでもパスワードを忘れてしまって削除できない学生時代に作成したSNSアカウントや、それが自分自身ではなく友人が作成したもので中身の羞恥性は別として"デジタルタトゥー"なるものが存在している可能性は誰にでもある。その「タトゥー」がどれだけ薄くても見逃さなかったし、共通項を見つけて芋づる式に情報を特定していくことで、出身地や生年月日、おそらくの出身大学まで割り出すことができた(本当に怖くて自分で書いてて戸惑う)。フルネーム(そこまで珍しいお名前ではなかった)が判明してから、ここまでわずか数時間のことだった。

 あ、実を言うともう話のピークは↑ここで。その翌日には、その方の「知り合いの知り合い」くらいまでは辿り着き、人づてにその男性に「恋人がいる」という情報を入手してしまったのだ。さすがに恋人がいる一般人を追いかけるほど暇ではないので、ここで調査は打ち切りとなってしまった。あれ?調査の打ち切りを悲しんでいる感じ、もうなんか手段(繋がるために調査をすること)が目的になっていないか‥?

 とりあえず「失恋」の感じを味わうためにも南野陽子の『話しかけたかった』をエンドレスリピートして、気持ちをそちら(失恋)側へ持っていくことにした。

話しかけたかった

話しかけたかった

  • 南野 陽子
  • J-Pop
  • ¥255

駆け寄って話しかけたかった

でも出来なかった 今日までいちども

遠くで思うだけだった

心で時間を止めてたの

 今回の件においては、見初めた当日に多少のアクションを起こしておけば数日で辿り着けた結論に、行動力のなさゆえに数週間を要してしまったことを反省するとともに、読んでくださっている方々には「ネットストーキング」の恐ろしさを実感してほしいと思う(浮気調査とかは得意だと思うので、何かあればご依頼ください)。